医療に関する迷信・・・その2「頭を打ったとき、たんこぶができれば安心?」

子どもが頭をぶつけて当院に連れてきた時、

「たんこぶが出来てたから大丈夫かと思ったんですけど・・・・」とか

「どこにもたんこぶが出来なくて・・・危ないでしょうか?」

などと言って来られる親御さんがいらっしゃいます。

 

たんこぶ・・・頭部皮下血腫

通常、頭の皮膚の下(頭蓋骨より外側)に内出血して、血液が固まった状態で、表面から見るとモッコリ盛り上がる・・・触るとやや硬めの腫瘤です。

皮下の出血なので、頭蓋骨内の状態には全く関係ありません。

もちろん、たんこぶが出来ない=皮下の出血が無い、なので、たんこぶ無い方が軽症です。

 

ブヨブヨなたんこぶ・・・帽状腱膜下血腫

たまに、触るとたんこぶの中が硬くなくてブヨブヨすることがあります。これは帽状腱膜下血腫という、まあ、たんこぶなのですが、皮下出血よりやや深い部位、頭蓋骨とその直上の膜の間に出血した血腫です。

だからと言って特に治療があるわけではありません。

頭蓋内に影響が無ければ経過観察で十分です。

 

緊急受診が必要な場合

1. 意識障害がある場合

 受傷直後に意識障害があったかどうか?子どもならぶつけてすぐ泣いたか?しばらく泣かず、動かず・・・1−2分経過してから大泣きし始めた? 目が開いていても、顔色が悪かったり、ぼーっとしている、反応が鈍いなど普段と違う状態の場合は早めに医療機関を受診しましょう。

 

2. 嘔吐

 子どもの場合、お母さんに怒られただけでも吐く子どももいます。1−2回の嘔吐は許容(もちろん経過観察は必要ですよ)しますが、3回以上嘔吐する場合は医療機関を受診しましょう。

 

3. 手足が動きにくい、言葉が出にくいなど、自分の体が普段と異なる場合

 いつもの自分と違う・・と感じた時は我慢せずに受診しましょう。

 

4. 痙攣が出た

 

5. ぼーっとしている、放っておくと眠ってしまう、反応が悪い・・・

 

小さな子供やご高齢の方は症状がわかりにくいことがあります。元気だと思っても、24時間程度は気をつけましょう。また、ご高齢の方は数日から数週経過した後に反応が悪くなることがあるのでこれまた注意!

 

ま、【たんこぶの出来、不出来では、内部の状態は予想できない・・】が結論ですね。

 

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コメント: 1
  • #1

    かいごや (月曜日, 21 11月 2016 20:54)

    仕事柄、年に数件慢性硬膜下血腫の対応をすることがあります。
    原因は、転倒・薬の影響(サラサラ系)
    2.3週間したら、念のためCT撮って貰いに行って頂きますが、
    何か良い方法ないですかねえ。
    車椅子やベッドに縛るのは抑制なので、原則禁止ですし・・・。

    利用相談の中で、???と思い、至急で受診を勧めたら、
    やっぱり・・・。ってのもありました。