6月2日 共同通信
埼玉県川口市で昨年2月、自宅で転倒し脚を骨折した50代女性が、複数の病院から計38回にわたり救急搬送の受け入れを断られていたことが30日、県の調査で分かった。悪性リンパ腫の既往歴があり「専門外」などの理由で拒否されていた。
昨年1月には、同県春日部市の路上で倒れていた住所不定の80代男性が36回断られ、救急車内で5時間以上待たされたことも判明。身元引受人がいないことなどが影響したとみられる。2人とも搬送時に容体が急変することはなかったという。
病院などによる救急患者の受け入れや取り扱いが、不十分だった実態があらためて明らかになった。県は今年4月、新しい救急医療情報システムを導入し、タブレット端末を全ての救急車に配備して患者の「たらい回し」防止策を進めている。
調査によると、転院を除く県内の昨年1年間の救急搬送人数は約25万4700人で、重症患者はうち約2万3100人。重症患者の約9%に当たる約2100人が受け入れを4回以上断られ、約16%の約3800人は、病院が決まるまで30分以上、車内で待たされた。
病院側は、重症患者を受け入れなかった理由として、「手術・患者対応中」(約25%)、「処置困難」(約23%)、「ベッド満床」(約20%)などを挙げた。
埼玉県では昨年1月、久喜市で呼吸困難を訴え119番した70代男性が、25の病院から計36回、救急搬送を断られた末に死亡したことも明らかになっている。
上記記事がニュースに掲載されました。
川口の女性は病院の責任ですね。
悪性リンパ腫の既往があったって、今回の要請は骨折なのですから、救急告示病院は診察するべきです。
しかし春日部のケースはどうなんでしょう?
住所不定・・という時点でほとんどの医療機関は断ります。
おそらく警察は「事件性なし」という理由で病院には付いて来てくれません。
一旦入院などさせようものなら、3食&ベッド&給仕&世話付きの環境です。
退院なんかしてくれません。
もちろん支払も滞り、病院は丸損です。
こういうケースを医療機関や救急システムに責任を押し付けないで、行政、福祉の遅れを指摘すべきではないでしょうか?
実際、「福祉」なんて土日祝日は全く連絡もつかない状態なのですから・・・
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nyar! (火曜日, 03 6月 2014 12:35)
激しく同意。
住所不定の方がどうして受け入れを断られるのか、自治体の皆さんはよくご存知のはずです。
知ってて頬かむりしている。「うちの課の仕事じゃない」と。
その気はなくとも、結果的に医療機関へ責任を押し付けていませんか。
やる気のある医師や病院から潰していく羽目になりますよ。
台東区、上野や南千住界隈の仕事が多いのですが...
荷物を盗られた!とかで、生活に行き詰まって救急車を呼ぶなんて例もあるんです。
知り合いが亡くなって、生きる気力をなくしたところで熱を出し、周りが救急車を、なんてことも。
「呼ぶだけならタダだ」と、セーフティ・ネットみたいに考えている人たちまでいます。
そりゃ入院できたらしめたもの、ですわね。
おじゃるまる (水曜日, 18 6月 2014 09:43)
一方向から見た「見た目」は同じように見える事象でも、まったく別物な理由が内在されている例ではないでしょうか。
単なる診療拒否問題と一括りにできないことは明らかですが、先生のようにきちんと解説せず、短絡的に報道すると一般の人は「病院が受け入れないのが悪い」と受け取ってしまいます。
病院も慈善事業じゃないのですから、きちんとした経済行為が成立しなければ潰れてしまいます。
「たらい回し、受け入れ拒否」問題を報じるのは大切ですが、どれもこれも一緒にしてしまうと、本質を見失ってしまい、逆に改善の道を閉ざす気さえしてしまいます。
内在する事情は別であっても搬送先が見つからず「救急隊の時間を拘束した」という事実は一緒です。
行政や福祉の問題を救急や病院の問題にすり替えていては、こういった問題で本当に必要な人への救急医療が手遅れになることは、いつになっても解決されないですね。