80歳のおばあちゃんが亡くなりました。
老人ホームに入所中でした。
心肺停止状態で当院に搬送され来ましたが・・・
当初、ホームの職員の方が一緒に来ました。
遅れて家族・・・夫のじいちゃんが来院しました。
心肺蘇生には全く反応せず、お亡くなりになりました。
じいちゃんの目の前で死亡確認をしました。
じいちゃんは涙を流すでもなく、「そうですか、仕方ないわな・・」と言って、動かぬ妻の顔に口づけをしました。
それはとてもロマンチックなものではなく、傍から見てても“ぶちゅっ”と音がするほど。
しかし、じいちゃんがばあちゃんを心から愛していたことは周囲に伝わりました。
じいちゃんが愛するばあちゃんをホームに入所させる時、どんな気持ちだったのだろう?
そしてその気持ちにホームの職員達は応えられたのかな?
ばあちゃんが急変して病院に運ばれた・・と聞いたときのじいちゃんの気持ちは・・
そして僕らはその気持ちに応えられたのだろうか??
介護、医療が盛んに取りざたされる社会の中、本人や家族の期待に十分応えている施設はあるのだろうか?
職員、一人一人は、自分の仕事を、発言を、行為を・・そういう期待に応える責任感を持ってやってるだろうか?
毎日繰り返される医療現場の場面の中で、“慣れ”というのが一番怖いのだと思った。
「ルーチンワーク」、「マニュアル」、「いつもと同じ」・・・・医療や介護を業務にしてはいけないなあ・・とつくづく思った。
医療や介護には「心」が必要だと思った。
たとえ相手に伝わらなくても、心を持って医療をしよう。
じいちゃんは葬儀屋さんがばあちゃんを連れて行く時にも「ぶっちゅ〜」ってやった。
でも俺にはとても格好よく見えたよ。
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細島 (水曜日, 26 12月 2012 19:55)
いいですね、じいちゃん!
院長 (木曜日, 27 12月 2012 00:28)
こんにちは、細島さん・・・最近、結構年長者の行動を見て、「ああ、いいなあ」と思った時は、自分もこうなりたいと思う事が多いのですが・・・
でもこの爺ちゃん、さすがにこうなりたいとは思えませんでした。でも、心は伝わってきましたね。もう少し格好よくkissして、絵になるようなじじいになりたい・・