「いまから45分かけて行きますっ!」熊谷消防からの患者受け入れ要請の電話・・・
患者は鼻出血・・いわゆる「はなぢ」である。
これでこの日は熊谷消防から鼻出血の搬送は2件目。
現在、埼玉県内で夜間に耳鼻咽喉科の患者さん・・たとえば鼻出血、中耳炎、鼓膜外傷など・・を診てくれる医療機関はいくつあるかご存じですか?
病院の当直医がたまたま耳鼻咽喉科の専門医がいれば、その夜はラッキー!
ほとんどの夜・・埼玉県内に鼻血を診る医療機関はゼロなんです。
ちなみに埼玉県の救急医療情報システムで鼻出血を診てくれる医療機関を探してみて下さい。唯一、「川越救急クリニック」が紹介されるはずです・・・
なぜ耳鼻咽喉科医達が夜間の診療から手を引いたか???
それは第一に苦労の割に報酬が少ないからでしょう。
止血に難渋して、30分以上擦った揉んだして、ようやく止血できても・・・鼻出血の止血手技料って、たった120円しかないんです。
ガーゼを鼻に詰め込んで、詰め込んで・・・片方の鼻の中をガーゼだらけに詰め込んで止血すると2400円です。
子供の肘内障(肘の亜脱臼)を整復するのに、わずか30秒ほど・・これで8000円ですよ。
他の外科的な手技は結構ちゃんと評価してくれているのに、耳鼻科領域だけは安いんです。そりゃ夜中に起こされて、苦労して止血して、120円・・・は嫌だわな・・
厚労省の役人って何考えてるんでしょうね??机の前ばっかりで、救急の現場になんか出てこないから、各学会の力関係で報酬も決まってきている感じがしますね。
ま、それにしても、埼玉県の耳鼻咽喉科事情はお寒いばかりです。
これこそ県が率先して医師会や大学病院に働きかけて輪番を組むべきなんじゃないかと思うのですが・・・・
今夜は当院に救急車が11台来ました。
普通の救急指定されている病院の一晩の数より多いですね。
しかもそのうち6台は市外から、まんべんなく・・
そりゃ院長としては収入増えるから嬉しいですが、その反面、世の中の救急指定病院って何なんだろう??って寂しくなってしまいますね。
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小池幸則 (火曜日, 01 3月 2011 14:07)
27日深夜処置をしていただきありがとうございました
27日に増田病院さまから電話していただき
埼玉医科大学医療センターを受診できました
その後上尾中央病院を紹介されました
院長 (木曜日, 03 3月 2011 22:24)
当院に道具が無くて苦労しました・・・小池さんにも長い時間つらい思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。
本日大学病院から報告が届き、道具があればかんたんに入ったみたいでした・・・
お金稼いで道具を買いたいと思います。